RSKは生き残ることができるのか?(AMA2/3)

この投稿は3月に行われたDiego Zaldivar氏によるAMAセッションの一部を記事化したものです。

ビットコインに興味を持ったきっかけ

Q. オーストリア学派¹がディエゴさんのキャリアにどのような影響を与えましたか?

2011年に初めてビットコインに触れたとき、私はマクロ経済について、家族と私自身が人生の大部分をアルゼンチンで暮らしていたことで得た個人的な経験を除いて、ほとんど知識がありませんでした。ハイパーインフレ、保釈金、資産の没収、資本管理などに関する経験があります。面白いことに、これらの厳しい状況をくぐり抜けても、国や世界の金融システムがどのように機能しているのかについて、じっくりと考える時間を持ったことはありません。

画像:ウィキペディア

そのような中、2012年に私の親しい友人が、国の資本規制を迂回して、シリコンバレーからブエノスアイレスに大量のビットコインを送ったことがありました。 その後、私は2週間かけてほとんど眠らずに、ビットコイン、そして主にマクロ経済学とオーストリア学派について勉強しました。それ以来、私の世界観は完全に変わったのです。そして、お金の主権を個人に還元することが、全ての人に平等な機会が与えられる社会を創造するための鍵であることに気づきました。

1・・・オーストリア学派

870年代に、限界効用理論を唱えた経済学者メンガーをはじめ、その理論体系を拡充・展開させたウィーン大学のウィーザーやベーム=バベルクらをいう。また、第一次大戦後、諸経済理論に業績をあげたミーゼス・ハイエクらの後継者はウィーン学派、また新オーストリア学派などといわれる。

参考:コトバンク より

RSKのなりすましスキャム

Q. RSK / RIFはMegalodon RIF Scamを解決するために行っていることはありますか?

まず明確にしておきたいことがあります。RIF Labsはいかなる詐欺にも関与していません。投資者および第三者が関与する問題は、該当する投資者と第三者との間で解決されるべきです。現在すべての投資者の95%近くがトークンの引き換えに成功しており、この数字は増え続けています。機密保持とデータ保護の問題のため、特定のケースについて言及することはできません。
とはいえ、特定の団体や個人の名前を出すことはしませんが、投資者がこのような問題のためにトークンを引き換えることができなかった事態があったことは承知しています。 私達はこのような投資者と共にこの問題を解決するために積極的に取り組んでいます。そして、状況に関与しているとされる第三者に敏感であり、今後数週間以内に関係者全員の懸念に対処する解決策を提示することによって、現在の問題を解決できると確信しています。この段階ではこれ以上コメントできることはありませんが、できるだけ早くアナウンスするよう心がけます。

RSKとライトニングネットワーク (Lightning Network)

画像:公式サイト

Q. ライトニングネットワークは日に日にユースケースが増えてきています。そのような中でRSKはどのようにして競合しているのでしょうか?

まず、ライトニングネットワークはRSK自体というよりもRSK上のRIFルミノ決済 (RIF Lumino Payments) と同等の存在です。なので、私たちはライトニングを競合他社としてではなく補完システムとして見ています。ライトニング / ルミノの二重ノードで、人々はスマートビットコイン (RBTC)とビットコインのアトミックスワップが可能になり、RSKネットワークの使用を非常に簡単にするでしょう。

その一方で、RIFルミノ決済がRSKネットワーク上に存在するすべてのトークンのオフチェーン決済を可能にする一方で、ライトニングは現時点ではビットコイン決済のみをサポートしています。法定通貨にペグされており、ビットコインとも完全に統合されたステーブルコインの、手数料1セント以下での瞬時決済を想像してみてください。それは世界中のフィンテックのための完璧な舞台となり、まったく新しいレベルで金融システム上の競争を可能にするでしょう。

RIF OSのユースケース

Q. RIFの利点は何ですか? 人々がRIFを使うようになる理由はなんでしょうか? 実際のユースケースはありますか?

RIFが提案する価値は、統一された環境内で分散型アプリケーション(dApp)をより速く、より簡単に、そしてスケーラブルに開発することを可能にする一連の分散型オープンインフラストラクチャ・プロトコルです。
RIF OSは、オールインワンの使いやすいブロックチェーン・インフラサービス・フレームワークです。このサービスは開発者や組織に、複数の暗号通貨エコノミーにわたる支払いから保管、複数のサービス、単一トークンなどの様々なサービスへのアクセスを提供します。
RIF OSプロトコルは、幅広い相互運用性と迅速な導入を可能にし、ブロックチェーン技術の一般市場への普及を目的としています。それによって、「価値のインターネット」をもたらすという、RSKスマートコントラクト・ネットワークの目標を完成させるのです。すでに特定のニーズ(ストレージなど)に対応したブロックチェーンソリューションが存在していますが、ブロックチェーン・インフラサービスにエンドツーエンド (E2E) のソリューションを提供しているプラットフォームはまだありません。RIF OSの目標は、この問題を解決し、ブロックチェーン・アプリケーションの開発に必要なすべてのサービスを提供する1つのプラットフォームになることです。 RIF OSは2018年11月18日に実装されたので、現在動き始めているプロジェクトはたくさんありますが、まだお伝えできるユースケースはありません。

Q. 他のプロジェクトがRIFを採用するために、RIFはどのような対策を取っていますか?

最近では組織再編を実施し、組織、企業、政府など、さまざまな対象者、開発者、インテグレータ、エンドユーザーに対して最適な市場開拓戦略 (GTM) を確立するためのAdoptionグループを設置しました。その目的の延長線としてアジアチームを結成しました。また、Adoptionチームが取り組んでいるGTMを確実に実行できるよう、世界の他の地域にもハブを開設することを検討しています。

Q. ドライブチェーンに関連する進展はあるでしょうか?

最初のドライブチェーンの提案は2016年にRSKによって作成され、コミュニティーによる評価のためにビットコインメーリングリストに提出されました。(参照:https://github.com/rsksmart/bips/blob/master/BIP-R10.md)さまざまなサブグループがブロックサイズを増やすか、またはセグウィット (SegWit) を追加するかについて論争をしており、ビットコイン・コミュニティにとって激動の時間でした。そのような状況で、サイドチェーンの統合について合意を得ることは非常に困難でした。
2018年の後半に、私たちは、Building on Bitcoin 2018(https://www.youtube)で発表された改善案(https://github.com/rsksmart/bips/blob/master/BIP-R11.mdを参照)でこれまでの取り組みを更新しました。(https://www.youtube.com/watch?time_continue=10289&v=Cpid31c6HZc) 私たちは、信頼を最小限に抑えたビットコインサイドチェーンが繁栄するためには、このエコシステムをがもっと成熟しなければならないと考えています。適切なタイミングが来るのを待っている間、私たちは連合ペグの安全性と開放性を高めるために全力を尽くしています。

RSKフェデレーション

Q. 中期的な未来に、RSKがフェデレーションモードから移行するということは現実的でしょうか?

RSKプラットフォームは、有名で尊敬されるコミュニティメンバー(高いセキュリティ基準を持つブロックチェーン企業)のフェデレーションと共に始まりました。 各メンバーはパブリックキーによって識別されています。セキュリティポリシー、バックアップ手順、法的要素など、フェデレーションメンバーになるための条件が確立されています。
現在、フェデレーションの唯一の役割はツーウェイペグを保護することです。将来的には、ネットワークにさらなるサービスを提供する予定です。コミュニティに有益だと判断されるサービスは以下のとおりです。

  • ビットコインとのツーウェイペグ
  • 他の暗号通貨とのツーウェイペグ
  • オラクルサービス
  • チェックポイントサービス

ビットコインは、外部SPVプルーフを検証するためのスマートコントラクトやネイティブオペコードをサポートしていません。RSKのツーウェイペグシステムの一部には、一連の公証人への信頼が必要です。RSKでは、ロックされた資金を保護する公証人の役割をフェデレーションメンバーが担っています。フェデレーションメンバーは、ブロックチェーン・コミュニティーの主要なメンバーたちであり、安全なネットワークノードを維持するための技術的能力も持っています。フェデレーションメンバーになる条件は、ノードに電力を供給するソフトウェアの適切な動作を、特にBTC資金のリリースを決定するコンポーネントの正確さを監査する能力です。これらすべての理由で、私たちはフェデレーションから離れることを計画していません。

原文:Diego Zaldivar’s AMA Session