この記事では、RIF Storage TeamのプロダクトオーナーであるVojtech Simetka氏がRIF Strorageの目的を分析します。
データストレージ:デジタル社会の要

私たちの社会は完全に「アナログ」から「デジタル」に移りつつあります。私たちの生活の多くの側面はすでにスクリーンに移行しており、デジタル化から生じる課題を解決するための新しい技術が登場しています。そのうちの最も有望な技術の1つが、ブロックチェーン技術です。それは暗号通貨を可能にする技術であり(様々な機能の中でとりわけ)、価値の保存と交換に誰もがより直接的に参加できるようにするものです。暗号通貨を使用するアプリケーションは、現在使用されているメジャーなサービスに代わるものをもたらすことを約束しており、分散化、プライバシー、検閲に対する抵抗と包含を念頭に置いて設計されています。これらを分散型アプリケーション(dApp)と呼びますが、それでも、多くのdAppは集権型システムに依存しているのが現状です。これは偶然ではありません。本当の意味で分散化された、消えることのない価値のネットワークを創造するのに必要な、すべての要素がまだそろっていないからです。そのうちの1つがストレージであります。
RIFストレージが必要な理由
どんなに便利なアプリケーションでも、ある時点でデータの保存と取得が必要になります。過去には、そのほとんどをローカルのコンピュータや携帯電話に保存していました。その後、クラウドストレージへと移行することになります。クラウドストレージはアプリケーションのクライアント/サーバーアーキテクチャに良く適合する一方で、新たなリスクと課題をもたらしました。

中央集権化
インターネットは、各ノードが消耗可能な分散システムであると考えられていました。しかし、今日、私たちのデータの大部分は、Facebook、Google、またはMicrosoftのような集権型のハブに集中しています。そのため、データの悪用、漏洩、およびサービス妨害攻撃のリスクが高まっています。分散型ストレージシステムを使用すれば、集権型サーバーに頼る必要はありません。文字通り、世界中の何千というノードに、すべてのデータを分けて保存することができます。
ネット検閲
ウェブページのようなウェブリソースはそのコンテンツが保存されているサーバーをブロックしてしまうか、攻撃するかによって簡単に検閲することができます。しかし、コンテンツが分散型で保存されている場合、コンテンツは分散型ネットワークのどこかに保存されているため、その検閲はより困難なものになります。
データ消失
同様に、プロバイダが消失する場合、そのプロバイダが提供していたコンテンツはすべて失われます。インターネットアーカイブのように、アーカイブされたWebサイトのコピーを管理する組織がありますが、これらも限界が持つスケーラビリティのない集権型ソリューションです。さらに、このアーカイブはまた別のアドレスに保存されているため、このコンテンツへのリンクはすべて切断されることになります。分散型ストレージでは、データがどこに保存されているのかではなく、そのコンテンツ自体によって記述されます。ストレージネットワークにコピーがある限り、同じリンクでデータ取得ができ、また、どのノードにコピーデータが保存されているなども関係ありません。
スケーリング&レイテンシー
人気のあるコンテンツは、世界中から1時間で何百万ものユーザーにアクセスされます。 1つのサーバーにデータを保存した場合、これらすべてのユーザーが1つのサーバーのリソースしか使用していないため、サービス品質は急速に低下するでしょう。同時に、地理的にサーバーから遠く離れているユーザーは、近くのユーザーに比べてはるかに長い待ち時間を持つことになります。これらの問題はどちらも、コンテンツを複製して世界中の複数のサーバーに配信することで解決する方法を取ることもあります。これらのサービスをCDN(Content Distribution Networks)と呼びます。ただし、CDNを使用する場合、コストが高く、配信プロセスが複雑になる可能性があります。実装例によっては、分散型ストレージは基本的にセットアップ以外の追加費用なしという利点をもつCDNです。
RIFストレージで描くビジョン

RIFにおいて私達は一連のオープンかつ分散型のインフラストラクチャ・プロトコルを作成しています。私達の目標は迅速で簡単、かつスケーラブルなdAppsの開発を可能にすることです。RIFストレージは、分散型ストレージ・ソリューションをもたらすこれらのプロトコルの1つです。
開発者として、サーバーを必要とせずにRIF Storageを使用してdAppを安全に提供できます。 RIFディレクトリプロトコルとの統合のおかげで、ユーザーは覚えやすいウェブのようなアドレスを通してdAppにアクセスすることができます。新しいバージョンを開発した場合でも、それをネットワークにアップロードしてdAppのアドレスに関連付けさせることができます。
ユーザーは、dAppで自分が作成したコンテンツが暗号化されてRIFストレージネットワークに保存されていることを知っているので、安心してサービスを利用することができます。悪用されたり、利用できなくなる可能性を最小限に抑えることができるのです。 RIFストレージをクラウドとして使用したり、他のコンピュータとデータを同期させたり、最小限の労力とコストで、それを友人や家族と共有したりすることもできます。個人としても企業としても、未使用のストレージをネットワークに提供することで利益を得ることもできます。誰でも参加することができ、RIF Paymentsの統合サービスのおかげで、最小限のコストですべてのデータに対して報酬を得ることができます。