ブロックチェーン技術を既存技術と統合することで、いくつかの興味深いユースケースを検討する事ができます。この記事では、前半ブロックチェーンに業界を混乱させるような機能がある理由を解説し、後半ではさまざまなブロックチェーンの使用例を2部で紹介します。
ブロックチェーンとイノベーション
イノベーションには、垂直方向と水平方向の2種類があります。
垂直方向のイノベーションは特定の分野で明示的に行われるイノベーションであり、水平方向のイノベーションは誰もが利用する事ができるものです。
これを理解するために次の例を見てみましょう。
ペニシリン、ポリオワクチン、および高度な操作方法は、いずれも特定の分野のみに固有であるため、垂直的イノベーションの例となります。
一方、電力やインターネット、クラウドコンピューティングなどは、その機能をより効率的にするために、複数の分野や産業で採用されているので水平的なイノベーションとなります。
ほとんどの病院がいまだに書類やファイルを使用して記録を行っていると事実は、水平的イノベーションから大きく遅れをとっていると言えます。
<要約>
垂直方向イノベーション | 水平方向イノベーション |
特定のフィールドに固有 | より広く、複数の分野や産業に適応可能 |
ペニシリンの発明は、医療産業に特化した垂直的イノベーション | 電力、インターネット、クラウドコンピューティングは、水平的イノベーション |
ブロックチェーンで次なる水平的なイノベーション
ブロックチェーンを簡潔に説明すると、ブロックチェーンは最も単純な用語で、タイムスタンプ付きの一連の不変のデータレコードであり、1つのエンティティに所有されていないコンピュータのクラスタによって管理されます。これらのデータブロック(つまり、ブロック)のそれぞれは、暗号原理(すなわち、チェーン)を使用して保護され、互いに結び付けられています。
ブロックチェーンがこれほど多くの賞賛を得た理由は次のとおりです。
- 単一のエンティティが所有していないため、分散化されています。
- データは暗号化され内部に保存されています。
- ブロックチェーンは不変であるため、誰もブロックチェーン内のデータを改ざんすることはできません。
- ブロックチェーンは透明性を持っているので、必要に応じてデータを追跡することができます。
5つのユースケース
ここからは、ブロックチェーンのユースケースを2部に分けて紹介していきます。
ブロックチェーンのユースケースは下記5つのカテゴリーに分配されます。
- チャリティー
- 金融
- 物流
- 政府
- エンターテイメント
ブロックチェーン使用例1:チャリティー

Ethereum上に構築
Givethは、新しいガバナンスモデルを導入することで、非営利の業界を改善したいと考えており、「Giveth Galaxy」(別名で取り組んでいるプロジェクト)を作った。彼らは、Giveth Galaxyを拡大することで、「寄付の未来」を変える事ができると信じています。Givethの背後にあるコミュニティーは、「Giveth DAC」と呼ばれています。
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- DAC用の完全に無料のオープンソースプラットフォームを複数のイテレーションで作成され、プラットフォームを分散化
- 幅広い参加者のためのプラットフォームを開発し、さまざまなコミュニティを構築し、その過程で、これらのコミュニティが必要な資金を獲得
Givethがする事
- イーサリアムブロックチェーン上に、完全に無料のオープンソースプラットフォームを構築する。
- 官僚主義を打開し、メーカーに高いレベルの透明性と説明責任を持たせる。
- ガバナンスの実験を可能にし、それをブロックチェーン技術を通じて外部からアクセスできるようにする。
- Giveth DACは、自分たちと同じような将来のコミュニティに役立つ可能性のあるものをすべて文書化していきます。

RSK上に構築
GiveTrackは、寄付をリアルタイムで追跡できるようにすることで、チャリティーに革命をもたらすことを目指しています。このプラットフォームは、財務情報を共有し、プロジェクトの結果をリアルタイムで伝えることにより、寄付者に透明性と説明責任を提供します。
解決すべき問題
第三世界の国々で活動している慈善団体は、度々、様々な問題に悩まされています。
- 取引とサービス料金で資金の30%を失ってしまう事があります。
- 取引の処理に長い時間がかかり、詐欺の被害を受けやすい。
- 内部または外部の透明性を維持するために必要なツールがありません。
なぜこれらが重要視されるのか?
NGOや寄付者がGiveTrackを使うことで得られる利点は何でしょうか?
- NGOの資金が国境を越えて移動する際の全体的なコスト、スピード、安全性を改善する事ができます。
- 透明性を持たせ、説明責任を強化し、寄付者や一般市民との信頼関係の構築を支援する事ができます。
- リアルタイムでの適応管理と、緊急対応が必要な場合に迅速で生産性の高い対応が可能となります。
この技術を大規模に展開し、そのメリットをすべて活用することでチャリティーをより効率的に実施するのに役立ちます。ここでは、ブロックチェーン技術がどのように社会に影響を与えることができるかについて、以前投稿された「ブロックチェーンで社会に影響を」にて説明しています。
つづく
原文:https://blockgeeks.com/guides/changing-the-world-5-real-life-blockchain-use-cases/by Blickgeeks