Bitcoinはスマートコントラクトプラットフォームとして覇権を獲得しうるか

ビットコインが登場したばかりの当初、「ピアツーピアで仲介者なしに取引できる電子上の価値とその保存」という概念に人々は魅了され、「デジタルゴールド」と呼ばれました。さらに「デジタルゴールド」はナサニエル・ポッパー1の本の題名にもなりました。

この本をまとめるにあたって、彼はニューヨーク・タイムズジャーナリストとしての影響力を利用して、サイファーバンク運動2の初期の参加者にインタビューを行いました。電子マネーの一つの形態としてのビットコインの概念はホワイトペーパー に書かれたサトシ・ナカモト氏の最初のアイデアにも当てはまります。

1…フィンテック関連分野に詳しいピッツバーグ出身のニューヨーク・タイムズ誌の記者
2…プライバシーの保護などを目的として、社会や政治など多方面において暗号技術を利用していくことを目指した運動

ビットコインを超えるブロックチェーンの開発

17歳のヴィタリック氏が2011年に暗号資産業界に参入した当時、同氏は可能性ではなくその限界に着目しました。

彼はブロックチェーン技術の応用に大いなる可能性を感じ、計算機としてのビットコインとスマートフォンの全ての機能を持つイーサリアムを比較しました。

ヴィタリック氏の活躍により、私たちが目にするブロックチェーンプラットフォームのエコシステムの基礎を築きました。過去2〜3年の間に、EOS・Tron・Zilliqa・NEM・Stellarなどが登場し、開発者は多くのプラットフォームの中から選んで利用することができるようになりました。

しかし、いずれのプラットフォームに独自トークンがありますが、ビットコインの勢いに勝るものはありませんでした。さらに、いずれのトークンもビットコインの米ドル価値を超えることはおろか、それに追いついてすらいません。全ての暗号資産の中でも、圧倒的に地域社会からの支援を受けており、今では機関投資家の投資までも集めるようになっています

ビットコインが価値保存として効果的に機能していることこそが、その強さであり、過去10年間に発展してきた理由でもあります。しかし、ビットコイン自体には依然として限界が存在しています。

ブロック生成時間によってトランザクション量は制限されてしまいます。ヴィタリック氏はこの点について「ビットコインは一芸しかない」と指摘しています。少なくとも、ビットコインのブロックチェーン単体で見ればそうなります。

しかし全体を俯瞰してみると、今では他のどんなプロジェクトよりもエコシステムとして機能し、これらは開発者のサトシナカモトが当初想像していた以上の機能をビットコインのエコシステムにもたらしています。

ビットコインにおけるスマートコントラクト

RSKはビットコインにスマートコントラクトの可能性をもたらします。これはビットコインブロックチェーンのサイドチェーンとして開発されたもので、メインチェーンによって固定し、マージマイニングによって保護されています。

これにはビットコインブロックチェーンと同じ、セキュリティと分散化が提供できるという利点があります。しかも、RSKプラットフォームはビットコインよりも高速で拡張性があります。

例えば、ビットコインの場合毎秒7トランザクションであるのに対し、毎秒最大で100トランザクッションを可能にします。プラットフォームのトークンはRBTCで、このトークンの値はBTCに固定されているため、このトークンを作成することで、スマートコントラクトによって相当額のBTCに固定されるのです。

RIF LabsはRSKインフラストラクチャ・フレームワーク(RIF) OSを立ち上げました。RIF OSレイヤーは、より迅速、容易、かつスケーラブル分散型アプリケーション(dApps)の開発を目的とした一連のプロトコルです。RSKとRIF OSの2つのレイヤーは、他のネットワークとの幅広い相互運用性を可能にし、ブロックチェーン技術をマスマーケットへの普及を加速させることを目指しています。

ライトニングネットワークはタデウス・ドライジャ氏とジョセフ・プーン氏*3によって開発され、後者はイーサリアムのスケーリングプロトコルでもあるプラズマにも着手しました。

そのネットワークは、マルチシグネチャウォレットの作成を含むペイメントチャネルを使用して動作します。例えば、アリスがボブにビットコインを送金したい場合、両者が自分の秘密鍵を使ってアクセスできる支払いチャネルを開くことができます。

そうすれば、支払い経路が閉鎖された後にだけブロックチェーンに記録される、即時決済が可能です。トランザクション終了まではオフチェーン処理をされるため、ライトニングネットワークが膨大な取引額に使用されることはほとんどありません。しかし、これによって少額決済での課題を克服することができます。

最終的には、ビットコインを使ってコーヒーを購入したり、他のたくさんの重要な手段になるかもしれません2019年には、暗号資産の価値が復活しました。FacebookのLibraプロジェクト登場の影響により、暗号通貨への人々の関心が再び高まっています。それでも、ビットコインはまだ群を抜いています。

RSKやライトニングネットワークのようなプロジェクトがビットコインブロックチェーンの限界を克服しつつある今、ビットコインは開発プラットフォームとしてより選ばれるべき存在となりました。ビットコインはさらにその主導的地位を固め、今後も長期にわたってその支配を続けると言えるでしょう。

*3…それぞれライトニングネットワークの開発者

原文:Bitcoin Is King Of The Cryptos – Can It Take Over Smart Contract Platforms Too? By Payel Dutta

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